神会と救いの計画
(末日聖徒イエス・キリスト教会 ダリン・H・オークスの話から抜粋)
神様の国に、「神会」というのがあります。
私達には神会について、また私達と神会の方々との関係について真理があります。つまり私達が現世を旅する為の究極の地図があるのです。
神会は、永遠の父なる神と、その御子イエス・キリストと、聖霊との御三方がいらっしゃいます。多くの一般のキリスト教界では、これを「三位一体」としております。 しかしそうではありません。
一般の教会では、神は人には理解する事も知る事も出来ない、神秘的な存在だという考えですが、神の属性と、神と私達の関係は知ることの出来る真理であり、聖書には、イエスの偉大な執り成しの祈りが、記されています。イエスはこう宣言されました。
『永遠の命とは、唯一の真の神でいますあなたと、また、あなたが遣わされたイエス・キリストとを知ることであります。』(ヨハネ17:3)
神とその業を知る努力は、現世に来る前から始まっていて、しかも現世で終わるものではありません。
私達は前世の霊界で得た知識を土台にします。ですから神の属性と、神とその子供達の関係をイスラエルの人々に教えようとして、イザヤはこう述べました。
『それであなた方は、神をだれと比べて、どんな像と比較しようとするのか、あなた方は知らなかったか、あなた方は聞かなかったか、初めからあなた方に伝えられなかったか、地の基をおいた時から、あなた方は悟らなかったか』(イザヤ40:18、21)
神会のお三方は別々の異なる御方なのです。
御父は、人間の体と同じ様に触れる事のできる骨肉の体を持っておられます。御子も同様である。しかし聖霊は骨肉の体を持たず霊の御方です。
これらの方々は、第一の神が創造主、第二の神が贖い主、そして第三の神が証人、すなわち証をする御方と呼ばれています。
御父は最高位にある御方、または長として管理する務めを持ち、イエスは仲保者として、聖霊は証する御方、すなわち証人としての務めを持っておられます。
イエス・キリストの福音は、この計画の中心をなす
「私達は何処から来たのか」「なぜここにいるのか」「どこへ行こうとしているのか」という疑問への答えは、聖文で「救いの計画」または「偉大な幸福の計画」「贖いの計画」と呼ばれるものの中に見出す事ができます。(アルマ42:5.8.11)
イエス・キリストの福音はこの計画の中心を成すものです。
神の霊の子供である私達は、現世に来る前に永遠の命を得るという、行く末を望みましたが、肉体をまとって死すべき世を経験する機会を得なくてはなりませんでした。
その機会を与える為に天の御父は、ご自分の管理の下にこの世界を創造されました。ここで私達は、死すべき世に生まれる前の記憶を取り去られた状態で、神の戒めを喜んで守る事を証明し、現世でのほかの難しい問題を切り抜けて経験し、成長する事が出来るのです。
しかし、現世の経験を得る過程において、わたし達は神の御前から絶たれることで、霊の死を受け、罪によって汚れ、肉体の死を受けることになります。
御父の計画では、これらの障害がすべて予期され、克服する道が用意されました。
神会について
神の偉大な計画の目的が分ったところで、その計画の中で、神会のお三方がそれぞれの、果たされる役割について考えてみます。
聖書の教えから、使徒パウロは ふと思い浮かんだかのように、御父と御子と、聖霊から成る神会に言及しています。(コリント人第二の手紙)
「主イエス・キリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりとが、あなた方一同と共にあるように」(2コリント13:13)
この聖句は神会を描写しており、すべてを決定づけ動機づける父なる神の愛と、イエス・キリストの憐れみに満ちた救いをもたらす使命と、聖霊の親しい交わりについて述べています。
父なる神
すべては父なる神から始まります。御父については分らないことが、比較的多いですが、わたし達の得ている知識から、御父が最高の位にあられることと、その後に続くほかのあらゆる事を、監督なさる御父の役割を明確に理解する事ができます。
父なる神の属性について私達が、知っている事柄の殆どは御父の独り子であるイエス・キリストの、務めと教えから学ぶことができます。
イエスの務めの最も重要な目的の一つは、「永遠の父なる神とは、どのようなお方なのか」を人に示し、「御自分の父親である天の御父の本質を明らかにし、御父の本質を人が自分で理解出来るように」することでした。
聖書には、イエスは御父の「本質の真の姿」であられるという使徒の証があります(へブルⅠ:3)が、これは「わたしを見た者は父を見たのである」(ヨハネ14:9)というイエスの御自分の教えに説明を加えたものにすぎません。
父なる神は、私達の霊の父であられます。私達は御父の子供です。御父は私達を愛し、すべてのことをわたし達の永遠の幸せの為に行われます。
御父は「救いの計画」を作られたお方であり、御父の力によってその子供達の究極の栄光をもたらす計画は、目的が成し遂げられます。
御子(イエス・キリスト)
人にとって神会の中で、最も認知しやすいお方は、イエス・キリストです。御子は神の子供達の長子です。霊における最初の子であり、肉における独り子です。
すべての中で最も大いなる御方であられる御子は、御父の計画を遂行するよう御父によって選ばれました。御父の力を行使して無数の世界を創造し、ご自身の復活によって神の子供達を死から救い、贖罪によって罪から救う為です。
この「神聖な犠牲」はまさに「人類歴史の中心となる出来事」とよばれています。
父なる神は、自ら御子を紹介された類稀な聖なる機会に次ぎのように言われました。『これはわたしの愛する子である、これに聞け』(マルコ9:7・ルカ9:35)
したがって預言者に対して、そして預言者を通して語られる御方は、エホバであり、主なる神イエス・キリストなのです。
ですからイエスは、復活後にニーファイ人に御姿を現わされた時、ご自身のことを、「全地の神」であると言われました。(3ニーファイ11:14)
聖霊
神会の第三の御方は聖霊であり、聖なる御霊、主の御霊、慰め主とも呼ばれます。聖霊は神会の一員であられ、個人の啓示をお伝えになる御方です。
霊の御方としてわたし達の中に宿ることがお出来になり、御父と御子と地上にいる神の子供達との交わりを持つ重要な役割をはたされます。
聖霊の使命は御父と御子について、証されることであると、多くの聖句が教えています。(ヨハネ15:26)(3ニーファイ8:11)
慰め主はすべてのことを教え、ことごとく思い起こさせ、あらゆる真理に導くと救い主は約束されました。(ヨハネ14:26)したがって聖霊は、わたし達が真理と偽りを見分けられるよう助け、大きな決断を下す時に導き、この世の試練を乗り越えられるように助けてくださいます。
つまり、わたし達は聖霊によって罪から清められて、きれいになれるのです。
まとめ
福音が真実である事を確信するだけでは不十分です。福音によって心が変わることを目指して行動し考えなければなりません。
世の教育機関は、「大事なことを知りなさい」と教えます。
イエス・キリストの福音は、わたし達に「大事な事を身につけなさい」と求めるのです。
その救いの計画に不可欠な存在が、救い主イエス・キリストです。
主の贖いの犠牲がなければすべての人達は失われます。